日本パノラマ館 開業広告


日本パノラマ館 開業広告


日本パノラマ館は、第三回内国勧業博覧会の会期に間に合わせるため、短期間で建設された木造の小屋でした。16角形で構成された円筒形の外壁は二重構造となっており、直径は123尺(37.3.m)、軒高は54尺(16.4m)、棟高は95尺(28.8m)で、敷地面積は370坪に及んでいました。館内へは東側に設けられた出入口から入場し、幅6尺(1.8m)ほどの暗い通路を進むと、円形ホールの中央に螺旋階段があり、上の階層へ上がるとパノラマの中央部分に設置された観覧台に出るというものでした。この観覧台は直径が33尺(10m)ほどで、床にはシュロ製のマットが敷かれていたといいます。背景のパノラマ図は、ジョセフ・バートランドとルシアン P. サージェントによる南北戦争図で、前景には実際に南北戦争時に使われたという触れ込みで、グラント将軍のテントや武器の実物などが置かれていました。当時の新聞によると、この内観の細部陳列は神戸三九郎(かんべさんくろう)が手がけたということです。日本パノラマ館に続いて、明治24年(1891)には大阪難波にもパノラマ館が開館しますが、神戸三九郎は、この開館時の普仏戦争パノラマを解説するパンフレットの翻訳者としてもその名前が見られます。

明治23年(1890)5月21日 読売新聞より


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Date: 2007/9/23 10:00:02 | Post: mikio


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