大日本凌雲閣之図 拾貳階直立貳百貳拾尺
開館当時の引き札。別図で十二階の眺望、十階の螺旋階段、電動エレベーターが紹介されています。
日本で初めて設置されたこの乗用エレベーターは当時「エレベートル」、「昇降機」などと呼ばれていました。1階から8階までを結んで閣内中央に設置されたこの電動エレベーターは米カーチス社製で、一方が上昇した際にもう一方が下降する「複式(つるべ式)」でした。動力となる電動モーターは7馬力ほどであったといいます。1階から8階までの所用時間は、当時の文献で2分と記したものありますが、開業日が11日になったそもそもの原因がこの所要時間を1分にするためであったので、少なくとも開業当時は1分で稼働していたようです。「昇降室」と呼ばれた木製ケージ(かご)の横幅は25尺5寸(7.7m)、奥行と高さは8尺(2.4m)で、一方のケージに10人ほどが乗ることができたようです。操縦方法は手動のハンドドライブ式でした。エレベーターの初設置とともに、東京電燈会社が供給したこの電動機への電力供給も日本初の試みでした。
喜多川周之複写「浅草寺文化」第5号より
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Date: 2007/9/30 22:00:03 | Post: mikio
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