凌雲閣(十二階)閣頂からの眺め


凌雲閣(十二階)閣頂からの眺め


上空ヨリ俯瞰セル浅草公園全景 / Asakusa Park.

十二階の閣頂からの眺め。大正期のオフセット印刷による、いわゆる原色絵葉書。林泉地区だった公園四区の様子が見えます。右下に突き出したサラセン風のドーム屋根は、明治45年(1912)に開業した浅草国技館。この当時は既に「遊楽館」若しくは「吾妻座」へ代替わりをしていると思われます。その左には「十二階演芸場」の屋根が見えています。10階から上の十二階の「展望室」では、倍率30倍の望遠鏡を借りることができたといいます。

"十二階の頂上のみはらしのてすりが、風にきしんで、ぎいぎいとゆれる。
私は、双眼鏡をかりて展望する。みわたせば、ここからは、
屋根、屋根は葱いろがかつて薄照り、雑沓は、うごかないほどしづかにみえる。
江川、青木の玉乗りの前、瓢箪池のベンチにあふむけにねてみあげてゐる
それは、もう一人の私だ。私はおどろいて、それに眼鏡を据ゑる。
昨夜から食べないで、吸殻をひろつては喫(の)んでゐるので、
胸がしくしくいたんでゐる私に。"「浅草十二階」金子光晴


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Date: 2007/9/30 22:00:06 | Post: mikio


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